玄米とオートミール、ダイエットに適した主食はどっち?
古くから健康食として知られている玄米。そして、近年ダイエッターたちから絶大な注目を浴びているオートミール。
そもそも玄米は稲穂(米)、オートミールはオーツ麦と、原材料が異なります。
では、これらの効果の違いはご存知でしょうか。
今ダイエットをしている人、これからダイエットを始めようと試みている人は、必見です。目的にあった主食を摂って、健康的なダイエットを目指しましょう。
Contents
玄米・オートミールとは何か
まずは、玄米やオートミールとはなにか。それぞれの特徴について知りましょう。
玄米とは
玄米とは、稲に実る果実である籾(もみ)から籾殻を取り除いた状態のものです。対して白米は、この玄米からさらに糠(ぬか)などを取り除き、精白したものです。
精白していない玄米は、白米よりも多くの栄養成分を含んでおり、昔から健康食品として取り入れられています。
食べやすさでは白米が勝りますが、白米はお米が持っている栄養の多くを精米により削ぎ落としてしまった状態ですので、栄養価が多く残っているのは、断然玄米といえます。
最近では、保育園でも玄米を食べさせるところがあるといいます。昔の主食であった玄米の良さが、見直されているということですね。
オートミールとは
オートミールとは、オーツ麦(燕麦:エンバク)を脱穀して、食べやすいよう加工したものです。
シリアルのような形状ですので、牛乳やヨーグルトをかけ、そのまま食べることができます。また、近年主流となっている食べ方は、お湯をかけたりレンジで温めたりして、ふやかして食べる方法です。
お粥のようになり、そのまま食べるよりも食べやすくなります。ハチミツやジャムなどの甘い味付けの他にも、塩を入れたりカレーのルーをかけたりと、ご飯の代用にもなるのが人気の秘密です。
数年前までは、アメリカなど海外では定番の朝食だったものの、日本ではまだ馴染みがありませんでした。しかし、近年の健康志向ブームやSNSの発達などにより、日本にも急激にオートミール人気が広がってきました。インスタグラムなどには、オートミールを使ったレシピが溢れています。
ダイエットに適しているのは
では、ダイエットにはどちらを主食にするのが良いのでしょうか。
それぞれのもつ栄養価や効果について見ていきましょう。
玄米とオートミールの栄養価比較
それぞれの100gごとに持っている栄養価を、成分ごとにまとめてみました。
玄米 | オートミール | |
エネルギー(kcal) | 349 | 380 |
タンパク質(g) | 6.8 | 13.7 |
脂質(g) | 2.7 | 5.7 |
炭水化物(g) | 74 | 69.1 |
ナトリウム(mg) | 3 | 9.4 |
食物繊維(g) | 3 | 9.4 |
カルシウム(mg) | 9 | 47 |
鉄(mg) | 2.1 | 3.9 |
ビタミンE(mg) | 1.2 | 0.6 |
ビタミンB1(mg) | 0.4 | 0.2 |
ビタミンB6(mg) | 0.45 | 1.1 |
マグネシウム(mg) | 110 | 100 |
このような結果になります。
こうして比較してみると、全体の栄養価はオートミールの方が高いと言えるでしょう。
しかしオートミールは水でふやかして食べる場合、一食あたり約50gとなります。カロリーが減るのが嬉しい一方、栄養価もこの表の半分ほどになると考えてください。
全体としてはオートミールの方が高い栄養価を誇るものの、どちらも必須ミネラルや身体にとって重要な成分を摂取でき、玄米も捨てがたいですよね。
それぞれのいいとこどりをして、自分にはどちらを多く摂るのが適しているのか、考えてみましょう。
玄米が勝るダイエット効果
玄米には、ビタミンB群が多く含まれています。
ビタミンB群は水溶性ビタミンに分類され、ダイエットにはビタミンB、と言われるほどの栄養成分です。
ビタミンB群は、摂取した食物の代謝を効率的に行う働きがあります。
ビタミンB群には、ビタミンB1、B2、B6などの種類がありますが、それぞれが助け合って脂質や糖質を分解して代謝を促します。
また、マグネシウムも同じく代謝をよくする働きがあります。
代謝が悪く、運動しても汗をかかず、痩せられない…という方は、代謝アップのために玄米を摂ってみてはいかがでしょうか。
オートミールが勝るダイエット効果
玄米は食物繊維が多いことで知られていますが、オートミールはそれをさらに超える食物繊維を含んでいます。
食物繊維は、胃や腸で水分を含んで膨らみ、腸壁を刺激することで便秘解消が期待されます。便秘が解消されれば、ぽっこりお腹の悩みが改善され、老廃物も外に出やすくなります。
タンパク質は、ダイエット中でも筋力を作るための大切な要素です。筋肉量が減ると代謝が落ち、痩せにくくなったり、痩せてもリバウンドしやすくなったりしてしまいます。
痩せたいけれど筋肉はつけたくないからタンパク質はいらない…は間違いなのです。他にもタンパク質不足は、肌荒れや冷え症などのデメリットを引き起こす原因となります。
自分の目的と生活にあったものを
オートミールの方が全体の栄養価は高いとは言え、どちらもかなり高い栄養を持っています。
極端な差はない上に、玄米の方が優っている栄養素もあります。
また、ダイエットの目的のほかに、調理の手間も自分の生活スタイルに合わせると良いでしょう。
玄米は、白米と同じく水を入れてすぐに炊けるものもあれば、炊く前に水に浸ける必要があるものもあります。しかし、一度炊けば残った分を冷凍しておけば、レンジで温めてすぐに使うこともできます。
オートミールは、水にふやかす場合は、耐熱容器にオートミール(一食なら約50g)と水を入れて3分ほどレンジで温めるか、沸騰させたお湯にオートミールを入れて煮るかで調理ができます。その後、味付けをします。
このように、調理法も少し異なります。
ご自身の生活スタイルや得意分野に合ったものを中心に、玄米とオートミールをどちらも食べる、というのも良いかもしれません。
しかし、ただ玄米やオートミールだけをたくさん摂れば良い、ということではありません。ダイエット中であっても、食事は基本です。他にも汁物やおかずなど、バランスの良い食事を心がけましょう。