玄米の栄養成分がすごい!その魅力に迫ります。
玄米は、栄養価が高くてダイエットにもなるだけではなく、美容にも良く、肌や髪も強く丈夫にすると話題ですよね。様々なメディアでも取り上げられていますし、今「玄米」の効果が改めて見直されているのです。
玄米にどのような成分が含まれて、それがどのような健康効果をもたらすのか、ご存知ですか?
ただ”カロリーが低い”だけではないということを知ったら、ますます玄米の魅力に気がつくはずです。
実際に、玄米には多くの栄養成分が含まれており、スーパーフードとしても知られ、健康のために、多くの人が玄米を食生活に取り入れています。玄米は白米が持っていていないような貴重な栄養素を含んでいるため、健康増進効果に優れ、生活習慣病予防や体調改善だけではなく、ダイエットや美容などへの効果も期待できます。
しかも、玄米を使った健康法は、毎日の主食を白米から玄米に置き換えるだけで実践できますし、白米に少しプラスしてみるなど、始めやすく続けやすいというメリットもありますので、ぜひ、試してみてください。
ここからは、まず、玄米のもつ栄養成分・玄米の健康効果についてその魅力を詳しくご説明いたします。
玄米とは?
玄米は、稲に実る果実である籾(もみ)から籾殻を取り除いた状態のもので、白米は、この玄米からさらに糠(ぬか)などを取り除き、精白したものです。玄米を白米にする過程(工程)を精米といいます。
精米していない玄米は、白米よりも多くの栄養成分を含んでおり、健康食品として取り入れられています。
前述のとおり、玄米は白米と比較して多くの栄養素が含まれているという特徴があり、科学的にも玄米の健康増進効果や美容効果が確認されています。
玄米と白米は何が違う?
白い食べ物は糖質が多く含まれているので、ダイエットや健康志向の人は避けた方が良いと言われています。
食パン、麺類など色々ありますが、白米もその1つなのです。
最近は白米ではなく、主食を玄米にすると栄養価も高く、ダイエットにも体にも良いとされています。
玄米には美容効果やアンチエイジング効果も期待できるのです。
玄米と白米を比べると、含まれている栄養素の種類も数も10倍以上変わってきます。
特に食物繊維の量は玄米の方が白米と比べて、約6倍ぐらいあります。
さらに、玄米は消化吸収が白米と比較すると、ゆっくりなペースで行われます。
消化吸収の際に体への負担が少ないのも、玄米の特徴となります。
白米は、精米という工程によって、玄米から糠と胚芽が取り除かれ、胚乳のみの状態になっています。
一般的に、精米して白米とすることでお米はおいしくなると考えられており、現代では多くの人が白米を食べて生活していますが、精米の技術が普及する前は、白米は非常に貴重で高価なお米であったといわれています。
しかし、精米して白米にすることで、玄米が持っているビタミンやミネラルなどの栄養素も取り除かれてしまっているのが現状です。
特に食物繊維の減少は顕著であり、食物繊維をたくさん摂取したいという人は、精米前の玄米を食べることがおすすめです。また、玄米は白米よりも”カロリーが低いと思われがちですが、実はカロリーに大差はありません。それ以上に、身体にうれしい栄養がたくさんなのです。
白米に比べ、玄米の場合、副菜に気を遣う必要がないというメリットもあります。というのも、日本人は昔から白米を主食とし、副菜に野菜や肉や魚などを摂り入れてきました。
それは精米した時に、白米から食物繊維、ビタミン、ミネラル、酵素などがなくなってしまうので、他の食材でこれらを補う必要があったためです。
これらの成分は、私たちの代謝、消化、排泄などを助ける働きをするものばかりで、このうちのどれが1つ欠けても体に不調を引き起こす原因となります。
ですので、主食を玄米に変えて、さらに副菜も考えれば、もっと栄養バランス満点な食事を実現させることができるのです。納豆や味噌などの発酵食品と一緒に摂るのもおすすめです。発酵食品には、腸内環境を整える作用があるため、便秘予防になり、体内へいらないものを排出しやすくしてくれるのです。
玄米にはたくさんの利点がある
また、カロリーは玄米も白米もほとんど変わりませんが、玄米には整腸作用やデトックス効果もあるため、同じカロリーでもダイエット効果や美容効果が期待できます。
それに加えて、血糖値の上昇スピードを表すGI値も、白米は88なのに対して玄米は55と低く、ゆるやかに血糖値を上昇させます。
GI値が高い食べ物は、インスリンと呼ばれる成分が多く分泌され、吸収しやすくしてしまうので、太りやすい体を作ってしまいます。一時期、流行った低インシュリンダイエットは、このGI値に目をつけて血糖値の上昇がゆるやかな食べ物から順に食べていくというものでした。
その点から見ても、低GI値の玄米はダイエットに効果的と言えそうですね!また、玄米は白米と比べて、食感がしっかりしているため、噛み砕いて飲み込む時間がかかります。
何度も噛む動作をすることであごを鍛えることもでき、満腹中枢を刺激し、少ない量でも満腹感を得られるようになります。また、玄米は白米より安いのも魅力です。
安い値段で多くの栄養素を含んでいる玄米は、かなりの費用効果があると言っていいですね。玄米には、ご覧のようにたくさんの利点だらけです。
それでも、玄米ってちょっとかたいから食べづらいとか、少し苦手だなぁという人は、浸水させて何日か置く発芽玄米、麹菌などを入れて発酵させる酵素玄米、またはスプーンで通常白米に少量加え普通に炊くだけで作れる発酵発芽玄米など、普段のご飯に簡単に摂り入れることが出来ます。しかもモチモチした食感が特徴で、赤飯やおこわなどの感覚で食べることができます。
玄米に含まれる豊富な栄養成分
玄米は白米に比べて栄養素が豊富で、とくにビタミンB群の含有量が多く、食物繊維やミネラルも豊富に含まれています。
さらにビタミンB群の中でも、ビタミンB1とビタミンB6の2つと、ミネラルの中でもカリウムとマグネシウムの2つが多く含まれています。
それぞれの栄養素は私たちの体にどんな良い影響を与えてくれるのでしょうか?
その他、美容に良いポリフェノールも含まれているのです。これだけみても、嬉しい栄養素ですよね。
玄米に含まれる豊富な栄養素トップ3は
- 食物繊維
- ビタミンB群
- ミネラル
玄米に含まれる栄養素のうち、特に注目すべきものがこの3つです。
玄米には食物繊維やビタミンB群、ミネラルが豊富に含まれていることが分かっています。
これらの栄養素は一般的な食事だけでは不足しがちになる栄養素で、特にファストフードやコンビニ弁当、外食やデリバリーなどが中心となっている人は、慢性的にこれらの栄養素が不足していると考えられます。
玄米は食物繊維が豊富
豊富な栄養素トップ1の食物繊維
食物繊維は六大栄養素の1つとも言われ、不足しがちな栄養素の1つでもあります。
食物繊維は腸の調子を整える作用があり、便通や腸内環境を改善する効果が期待できます。
腸内環境の改善によって体の毒素が排泄しやすくなるため、肌荒れや体臭などが改善し、美容面にも大きな効果があります。血行促進や新陳代謝の活性化も期待できます。
また、腸内環境の改善は免疫機能とも深く関連しており、ウイルスや細菌などから身を守るためには必須となります。食物繊維は、小腸内で栄養素の吸収速度を緩やかにする働きがあり、食後の血糖値の上昇を抑える働きをしてくれます。コレステロールを吸着して対外に排出してくれる効果もあるので、血中コレステロール値を低下させる働きもします。
それに加えて、ナトリウムも排出してくれるので、血圧抑制効果も期待できます。
善玉菌を増やして腸内環境を整え、便通をよくしてくれるので、便秘解消にもつながります。
ゴボウ、とうもろこし、セロリなどの野菜にも多く含まれています。白米を玄米に置き換えるだけで、日々の食物繊維不足や野菜不足を補うことが可能になります。
食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類が存在する。
その名の通り、水に溶ける食物繊維と溶けない食物繊維ですが、玄米にはどちらも含まれています。
水溶性食物繊維は、水に溶けるとネバネバし、糖質の吸収や消化を穏やかにしたり、コレステロールの吸収をおさえたりしてくれます。
不溶性食物繊維は、胃や腸の中で水分を吸収して膨らむので、胃や腸を刺激して便通を促します。また、飲み込むために良く噛むので、満腹感を得られ、食べ過ぎを防ぐことができ、ダイエットなどにも効果的だといわれることがあります。
両方の食物繊維をバランスよく摂取できる玄米は、まさにスーパーフードなのです。
便秘に悩んでいるという方は、野菜や果物などの食物繊維が豊富な食品を意識的に摂取するのはもちろん、白米を玄米に切り替えることもおすすめです。
また、腹持ちも良くなるので、自然と間食が減るでしょう。
玄米に含まれる食物繊維は、白米の約4倍。ダイエット効果をはじめ、健康効果や美肌効果も同時に手に入れることができる、優秀な食べものです。
ビタミンが多く含まれている
ビタミンにはたくさんの種類があります。
ぬかや胚芽には様々なビタミンが豊富に含まれ、ビタミンEも約10倍です。
中でも特に脂肪燃焼に効果的なのは、糖質の代謝を活発にする、ビタミンB群です。
ビタミンB群には、脂肪の蓄積を抑制する力があると言われています。脂肪の蓄積を抑えるだけでなく、燃焼もしてくれたり、腸内環境の改善やデトックスの効果があったりと、ダイエットには嬉しい効果がたくさんあります。ビタミンB群は代謝に不可欠であるほか、エネルギーの生成にも重要な働きをしています。細胞の生まれ変わり(代謝)を活性化することで、全身の臓器の機能を整える効果が期待できます。
ビタミンBと言っても種類が様々なのですが、玄米に含まれるものとしては、神経の機能を正常に保つビタミンB1、赤血球の形成や抗体の生産などに必要なビタミンB2、神経伝達物質の合成を助けるビタミンB6などがあります。
ビタミンでもさまざまな働きをするので、1つ1つの違いを見ていきましょう!
ビタミンB1の効果と働き
私たちの体内でビタミンB1は糖質の代謝に関わる酵素としての働きを担っています。
糖質は、炭水化物から食物繊維を引いた栄養素で、私たちの日常生活での活動や、運動に欠かせないエネルギーの1つです。
糖質を多く摂り過ぎると、肥満や生活習慣病の基になると言われていますが、糖質は必要量毎日摂らなくてはなりません。
その糖質をエネルギーに変えてくれるのが、ビタミンB1の働きになります。
食べ物だと、豚肉などに多く含まれている栄養素です。
ビタミンB1は水溶性ビタミンの1つで、別名チアミンとも呼ばれます。
チアミンは、ブドウ糖をエネルギーに変換する作業をしてくれる化合物です。
ビタミンB1は糖質からエネルギーを生み出すこと、私たちの皮膚や粘膜の健康を保つ働きをします。
糖質をエネルギー源として使っている脳神経系にも、正常な働きをさせてくれます。
ビタミンB1が不足すると、疲れが溜まりやすくなったり、集中力の欠如が起こったり、精神が不安定な状態を引き起こす原因にもなります。
また、肝臓や腎臓機能の低下が起こり、胃腸も弱くなります。
運動を定期的にしている人や、日常生活でも活動的な人はエネルギー産生が盛んになるため、多くのビタミンB1が必要になります。
1日に必要な摂取量は年齢により異なりますが、約1.1mg~1.4mgぐらいが平均値になります。
ビタミンB2の効果と働き
ビタミンB2はビタミンB1と一緒に炭水化物の代謝、脂肪の代謝などの代謝に関わる働きをする栄養素です。
成長促進効果もあり、若々しさを保つための栄養素でもあります。
また、肝臓のデトックス作用もあり、ガンにも良いと言われています。
ビタミンB2が不足してしまうと、老化が表面化しやすくなったり、疲れやすくなったりします。
表面的には、口内炎、目の充血、髪が痛んだり、肌荒れを起こしやすくなったりします。
1日に必要な摂取量はビタミンB1と同様に年齢によって異なりますが、約1.1mg~1.6mgとなっています。
ビタミンB6の効果と働き
ビタミンB6は、アミノ酸の働きを助ける役割をしています。
免疫機能を正常に働かせたり、皮膚の抵抗力の増進をしたり、血液中の赤血球のヘモグロビンの合成をしたり、神経伝達機能物質の合成などを行っています。
たんぱく質や脂質の代謝にも関わっている栄養素です。
食べ物だと、さんまやバナナに多く含まれている栄養素です。
ビタミンEの効果と働き
ビタミンEには心臓を正常に動かし、動脈の弾力性を高める働きがあります。
さらに下垂体や副腎皮質ホルモンの分泌を正常化します。
ビタミンEが血管の弾力を高めてくれると、過酸化脂肪の発生を抑制し、血液の流れをよくしてくれるのです。
細胞の酸化を防ぐので、老化が起こりにくくもなります。
抗酸化作用のほかにも、血液の流れをスムーズにする血行促進作用や、ホルモンバランスを整える作用などがあります。
血液の流れが良くなると、身体中に血液を滞りなく行き届かせることができるので、肩凝りや冷え性を和らげることができます。
その中でも、生殖に関わる部分の機能を特に強化してくれます。精子を強くし、卵巣の機能を整える働きもします。
精力減退、不妊症、流産などを起こりにくくします。月経不順に悩む女性にも、ビタミンを豊富に含む玄米の摂取は大変おすすめです。
1日に必要な摂取量は設定されておらず、過度に摂り過ぎないように上限量が決まっています。
1日あたりの上限量は、年齢によって異なりますが、約650mg~850mgとなっています。
ビタミンEは体内に蓄積しにくい物質のため、過剰摂取はありませんが、やはり量を守って摂取することが大切です。ビタミンは水溶性で、毎日補給する必要があるので、いつものお米を玄米にすれば、手軽に補給できそうですね。
ビタミンB群は白米と比較してもかなり量が多く、毎日定期的に食事に取り入れていくことが、体を老化から守り、健康を維持することにつながります。
ビタミンは野菜や、サプリメントからも摂取することができますが、玄米にはビタミン以外にもたくさんの栄養素を含んでおり、一石二鳥どころではない価値があります。
1日に必要な栄養素を肉、魚、野菜から摂取するとなると膨大な量になってしまいますが、玄米からであれば一度にたくさんの栄養素を摂取することができるのです。
そんな優れものの玄米を是非今日から食卓の一員として取り入れてみてくださいね!
ミネラルが豊富!
鉄分やミネラル、リンなどのミネラルが豊富なのも、玄米の魅力です。
ミネラルとは?その種類と働きは?
そもそも、ミネラルとはなんでしょうか。具体的にミネラルとは、生体を構成する主要な4元素(酸素、炭素、窒素、水素)以外のもののことをさし、無機質とも呼ばれます。ミネラルは約100種類あり、人間の体内には約40種類が存在します。
ミネラルは、糖質・脂質・タンパク質・ビタミンと並ぶ5大栄養素のひとつであり、全身の神経や細胞の働きをサポートしています。現代人に不足しがちな栄養成分で、身体に必要な5大栄養素の1つですが、体内で作ることはできません。そのため、食物から摂取する必要があるのです。
他の栄養素には炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミンがあります。これらと肩を並べるほど、身体にとって大切な成分であることがわかります。
ミネラルはいくつかの種類があり、玄米にはカリウムやマグネシウムなどのミネラルが多く含まれています。
食べ物などから摂取しなければならないミネラルを必須ミネラルと言い、現在の研究では16種類あるといわれています。
必須ミネラルは、
・ナトリウム
・マグネシウム
・リン
・硫黄
・塩素
・カリウム
・カルシウム
・クロム
・マンガン
・鉄
・コバルト
・銅
・亜鉛
・セレン
・モリブデン
・ヨウ素
以上の16種類です。
必須ミネラルのなかでも、玄米に特に多く含まれているのが、カリウムやマグネシウム、鉄分、リンなどです。
カリウムの役割
カリウムはナトリウムと一緒に、細胞の浸透圧を維持しています。
酸・塩基平衡の維持(酸と塩基のバランス)、神経刺激の伝達、心臓や筋肉機能などの調整、細胞内の酵素反応の調整を行ってくれています。
腎臓でナトリウムの再吸収を抑制し、尿と一緒に排出してくれるため、血圧抑制、高血圧の予防や改善に効果的です。また、神経の興奮性や筋肉の収縮に関わっていたり、体液のphバランスを保ったりする役割も持っています。
カリウムが不足すると、食欲不振や脱力感、不整脈などが起こります。食欲がなくなり十分な食事を摂っていないと、栄養バランスが崩れ、免疫力が低下してしまいます。
カリウムはナトリウムの過剰摂取を防いでくれる栄養素でもあり、食べ物だと、ひじき、こんぶなどの海藻類に多く含まれている栄養素です。
マグネシウムの役割
マグネシウムは大変優秀な栄養素の1つです。
私たちの体内にある約300種類の酵素の働きをサポートしています。
エネルギーを生み出す、栄養素を合成・分解する、遺伝情報を発現させる、神経伝達機能を行うなど、たくさんの働きをしてくれます。
カルシウムと結びついて筋肉を収縮させたり、血管を拡張して血圧を低下させたり、血栓を作りにくくする働きもあります。
食べ物だと、納豆や油揚げなどの大豆製品に多く含まれています。
体内のさまざまな代謝機能を助ける力を持っているほか、体温・血圧の調整をする役割も担っています。
体温と免疫力には深い関係があり、低体温の状態では免疫力に関わる細胞の働きが低下してしまいます。
鉄分の役割
鉄は、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンのエサとなります。
ヘモグロビンは、グロビンというタンパク質と鉄が結合した物質で、主に体内に酸素を運ぶ役割を持っています。
鉄分が不足すると、ヘモグロビンの生成が滞り、酸素の運搬や二酸化炭素の回収ができなくなってしまいます。
すると、全身の組織が酸欠になったり、疲れや倦怠感、動悸や息切れ、めまい、頭痛、肩こりなどといった体の不調があらわれたりします。
リンの役割
リンは歯や骨の構成に欠かせないミネラルです。
カルシウムとともに、歯や骨の正常な発達のため、ハイドロキシアパタイトとして働いています。
ほかにも、さまざまな代謝反応に関与していたり、体液の酸とアルカリのバランス調整、心臓や腎臓の機能維持、神経伝達等にも関与したりと、重要な役割を担っています。
リンが不足すると、脱力感や筋力低下などの症状があらわれます。
ミネラルが不足すると
それぞれの成分の働きを見たらわかる通り、ミネラルは身体の免疫力や健康機能を保つのに欠かせません。
不足すると、低体温や免疫力低下、貧血、肩こり、肌荒れや口内炎、体重増加など、さまざまな症状があらわれます。集中力がなくなったり、イライラしやすくなったりするとも言われています。
さらに悪化すると、甲状腺腫などの欠乏症や、骨粗鬆症などを引き起こす可能性もあります。
このように、身体を健康に保つのに欠かせないミネラル。さまざまな働きがあるからこそ、常に食べ物などから補給をしなければ、すぐに不足してしまいます。
ミネラルが含まれる食材はもちろん、玄米以外にも沢山ありますが、バランス良く必須ミネラルを摂取しようとすると、おかずの種類も多くなって大変です。
用意するのが大変では、続けるのも難しいですよね。
そこで、日本人の多くが食べているお米を、白米から玄米に置き換えることで、無理なくミネラルの補給をすることが期待できます。
美容効果絶大?玄米に含まれるポリフェノール
玄米に含まれるもののひとつにポリフェノールがあります。ポリフェノールは、玄米を白米に精米する際に、削ぎ落とされる胚芽や糠に、含まれるのです。
ポリフェノールが身体に良いことはなんとなく知っていても、どのような役割をしているのかと問われると、悩みますよね。
玄米に含まれるポリフェノールについて、ポリフェノールとは何か、どのような役割をするのかをご説明します。
ポリフェノールとは
ポリフェノールは、ほとんどの植物に存在する物質で、光合成により生成され、植物の苦味や色素のもとになっている成分で、自然界に約5,000種類も存在すると言われています。
ポリフェノールは、強い抗酸化作用がある抗酸化物質であり、活性酸素などの有害物質を無害化する作用があります。
ポリフェノールの主な働き
ポリフェノールは自然界に約5,000種類も存在するとお伝えしましたが、ヒトへの効果も種類により様々です。ここでは代表的なポリフェノールの働きを一部ご紹介します。
植物が光合成によりポリフェノールを生成する理由は、紫外線や乾燥、菌や害虫などから身を守るためです。
この作用はヒトの体内でも有用で、人間の体内で生成される活性酸素を取り除いてくれます。
活性酸素は他の物質を酸化させる力が大変強く、例えば体内の脂質を酸化させることで過酸化脂質と呼ばれる物質に変えてしまいます。
この物質は消化器官や血液の流れに悪影響を及ぼす有害物質であり、免疫機能の低下や老化などを引き起こすこともあります。
さらに増加し悪化すると、動脈硬化やがんなどを招く原因になることも報告されています。
また、皮膚の脂質を酸化させることは、しみ・しわの原因にもなり、肌まで荒らしてしまうのです。
ポリフェノールには強い抗酸化作用がありますので、活性酸素を除去し、これらの生活習慣病や肌荒れなどを防ぐ効果が期待できるのです。
ポリフェノールの種類と効果
全てをご紹介することはできませんが、代表的なポリフェノールは以下の通りです。
・アントシアニン
ブルーベリーやブドウ、紫芋、ナスなど、濃い青紫色の色素成分。
視覚情報取得の強化。血圧の改善。血糖値を一定に保つ。
・カテキン
主に緑茶に含まれる。
抗酸化作用、抗菌・殺菌・抗ウイルス作用、抗アレルギー効果。コレステロール低減作用、体脂肪低減作用。虫歯予防効果。
・カカオポリフェノール
主にチョコレートに含まれる。
心血管系の機能を健康に保つ。ストレスの軽減。認知機能の改善。
・ルチン
主にそばに含まれる。
抗酸化作用。高血圧の予防や毛細血管の強化作用。
・クロロゲン酸(コーヒーポリフェノール)
主にコーヒーに含まれる。
血糖値上昇を抑制する効果。血圧改善作用。発がん防止作用。脂肪の吸収を抑える。
・イソフラボン主に大豆に含まれる。
女性ホルモンのエストロゲンと似たような働きをする。自律神経の保持、更年期症状の軽減。
・ショウガオール/span>
主にショウガに含まれる。
胃を丈夫にして働きを助ける。血行を促進し体を温める。殺菌効果で風邪を予防する。
このように、それぞれの植物性食材にそれぞれのポリフェノールが存在しており、その役割も多種多様なのです。
ポリフェノールの特徴と注意点
ポリフェノールは、水に溶けやすい性質をもっています。比較的短時間で作用するのがメリットである一方、その効果は長時間持続しないというデメリットも持ち合わせています。
ですから、毎日こまめに摂取することが大切なのです。
そこで、多くの人が毎日食べるお米を白米から玄米にすることで、日々の食事からバランスよくポリフェノールを摂取することができます。
玄米に含まれるポリフェノール
さて、ポリフェノールの働きや、様々な種類が存在することなどをご紹介してきましたが、玄米に含まれるポリフェノールは何でしょうか。
それは、フェルラ酸というポリフェノールです。
フェルラ酸は特に美容効果が高いことで知られています。フェルラ酸のアミノ構造は、アミノ酸の一種であるチロシンに似ています。
肌の色素沈着などの原因となるメラニンの生成抑制方法は、チロシンとの拮抗作用であり、フェルラ酸もこれと同様の働きをすると言われています。
つまり、玄米に含まれるフェルラ酸というポリフェノールを摂ることは、メラニンの生成抑制になり、色素沈着を抑えて美白になることが期待できます。
また、同時にしみやしわも予防でき、美肌効果も期待できます。
このように、玄米を食べると高い美容効果が得られるのです。
今回は、玄米の栄養成分について、詳しく説明いたしました。いかがでしたでしょうか?不足しがちな栄養素がとれるという意味では、非常に優秀な食べ物ですよね。まだまだ、その他の効果もありますので、別の章でご説明したいと思います。