【玄米健康法】玄米で糖尿病対策!?
日本人にとって大切な主食であるお米。【玄米健康法】玄米で糖尿病対策!?
そんなお米を白米から玄米におきかえる、「玄米健康法」が話題になっています。
玄米は低GI食品とよばれるタイプの食品であり、一般的な白米よりも血糖値が上がりにくいという性質があります。
白米を玄米に変えるだけで食後の急激な血糖値を抑え込むことができるため、糖尿病の食事療法にも利用されています。
そこで今回は、糖尿病について、糖尿病と玄米のリスク、玄米と血糖値の関係等を紹介していきたいと思います。
Contents
糖尿病とは?
糖尿病とは血液中の糖分の値(血糖値)が異常に高い状態が続くことです。
血糖値は一日の中で大きく変動しており、食後や糖分摂取後に高くなり、次第に低下していきます。
しかし、糖尿病を発症している人は、食後だけではなく日常的に血糖値が高い状態が継続してしまいます。
血糖値が高い状態が続くと全身の血管は徐々にダメージを受け、様々な合併症が出現します。
目に障害が現れる網膜症、指先や足先の神経がダメージを受ける神経障害、腎機能が低下する腎障害などの合併症のほか、重症化すると心臓や脳などの重要な血管に障害が出現する可能性もあります。
そのため、糖尿病治療の目標は、合併症や重要な血管の障害、動脈硬化などの進展を抑制しながら、健常人(病気のない人)と変わらない生活をすることです。
糖尿病の特徴
糖尿病は、かなり血糖値が高くない限り自覚症状がなく、気がつかないうちになっていた、ということもあります。症状としては、
・喉が渇く
・排尿の回数が増える
・体重が増える
・疲れやすくなる
などがあり、さらに血糖値が上がると、意識障害を引き起こすこともあります。
また、中高年に多い、太っている人に多いというイメージを抱かれがちですが、そうとは限りません。糖尿病の種類によっては、若くて痩せ型の人に多いものもあるのです。
GI値とは
GIとは、食後の血糖値の上昇を示す指標、グライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略のことです。
食品それぞれにGI値が定めてられており、GI値が高い食材を食べると、急激に血糖値が上昇します。反対にGI値が低い食材を食べると、血糖値は緩やかに上昇します。
GI値によって食品は、高GI食品、中GI食品、低GI食品の大きく3つに分類されます。
高GI食品はGI値が70以上、中GI食品は56〜69、低GI食品は55以下とされています。
血糖値が上がると糖尿病のリスクに
GI値が高い食品を食べると、血糖値が急上昇することがわかりました。では、血糖値が急上昇することは、なぜ問題なのでしょうか。
食事をすると、栄養素の一部は糖となって吸収されます。
血液中の糖の値、つまり血糖値が上がると、インスリンという血糖値を下げるなどの役割を持つホルモンが分泌されます。高GI値の食材を食べたことによって急激に血糖値が上がると、このインスリンの生成が追いつかなくなったり十分に働かなかったりします。すると、食後しばらく時間が経過しても血糖値が下がらず、高血糖の状態が続いてしまいます。
インスリンは、糖を血液から細胞に取り込むために必要な成分でもあります。急激な血糖値の上昇によりインスリンが十分に働かない状態では、血液中の糖をうまく細胞に取り込めず、血液中に糖が溢れてしまいます。
このように、インスリンがうまく分泌されない、もしくはされても十分に働かず、血糖値が慢性的に高くなることを、糖尿病といいます。
それに対して低GI食品は、血糖値の上昇が緩やかなため、適度な量のインスリンが分泌され、糖が速やかに吸収されます。低GI食品を食べることは、糖尿病の予防になるとともに、肥満防止にもなるといわれています。
糖尿病治療の基本
糖尿病治療の基本は食事と運動です。
それぞれ食事療法と運動療法とよばれています。
糖尿病は生活習慣病の一種であり、生活習慣によって、良くも悪くもなります。
日々の生活習慣が血糖値や病態に与える影響は大きく、糖尿病治療には生活習慣の改善が欠かせません。
糖尿病の食事療法
食事療法こそ糖尿病治療の基本中の基本です。
病態に関わらず、すべての糖尿病患者が食事療法を実践する必要があります。
糖尿病の食事療法で重要となるのが「糖質」です。
炭水化物などの糖質類を摂取すると、血糖値は急激に上昇します。
通常であれば、血糖値の上昇に応じてインスリンというホルモンが分泌され、血糖値は一定に保たれます。
しかし、糖尿病患者はインスリンの分泌に異常が生じている場合が多く、糖質の摂取による急激な血糖値の上昇が血管に大きな負担をかけることになります。
そのため、糖尿病患者こそ、緩やかに血糖値をあげるような食事が重要となります。
玄米で血糖値の上昇を防ぐ!糖尿病リスクの低減
健康食として知られる玄米。その効果の一つに、糖尿病リスクの低減があります。
玄米は、精白したお米と比べてGI値が低く、食後の血糖値上昇を抑え、緩やかに血糖値をあげる作用があります。
炭水化物などの糖質は急激に血糖値を上昇させるため、糖尿病患者にとって炭水化物は注意すべき食べ物のひとつです。
とくに、白米などのお米は日本人にとって非常に重要な食品であり、毎日食べているという人が多いでしょう。しかし、白米の血糖値上昇作用は高く、糖尿病患者にとっては避けるべき食品のひとつです。
主食となる炭水化物は、体内に吸収されると糖となります。ですから、炭水化物=GI値が高いと考える方も多いかと思います。しかし、必ずしもそうとは限りません。
白米のGI値が88であるのに対して、玄米は55で低GI食品。パンに関しても、通常の食パンが95であるのに対し、ライ麦パンは55。炭水化物のなかでも、GI値には大きな差があるのです。
だからといって、普段白米を食べているからその分大幅に量を減らす、というダイエットはオススメできません。量が少なく満足感を得にくかったり、炭水化物を摂らない分、脂質やタンパク質を過剰に摂取して、栄養バランスを崩してしまう可能性があります。
炭水化物を減らすよりも、GI値の低い食品を選んで食べることが、健康維持やダイエットに向いているのです。
さらに玄米は、GI値が低いだけでなく、ミネラルやビタミン、食物繊維も豊富に含まれています。栄養素を十分に摂りつつ、少量でも腹持ちが良い優れた食材です。
いつも食べている白米や食パンなどの主食を玄米に変えるだけで、糖尿病や肥満の防止・改善が期待出来るのです。普段の主食を白米から低GI食品である玄米におきかえることで、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。
このように、玄米は白米よりも血糖値を安定化させる効果が高いため、糖尿病患者こそ玄米がおすすめであるといえます。
また、玄米などの低GI食品は、糖尿病のみならず、ダイエットにも効果的です。
人間の体は、食後に血糖値が上がると、自動的にインスリンを分泌するようにプログラムされています。
インスリンの分泌によって血糖値は下がりますが、同時に脂肪も蓄積されやすくなります。
つまり、急激なインスリンの分泌を避けることがダイエットのコツであり、そのためには血糖値が上がりにくい低GI食品を積極的に取り入れるのが効果的です。
玄米健康法はおきかえるだけ!
今回は玄米と血糖値の関係を紹介しながら、玄米が糖尿病の食事療法にも使用されている理由を解説しました。
玄米を使った健康法が他の食事療法よりも優れているところは、「お米をおきかえるだけ」というところです。
無理に食事制限をする必要もなく、白米を玄米におきかえるだけです。
最近は玄米の研究も進んでおり、白米以上においしく食べられる玄米もたくさん登場しています。
玄米にはビタミンやミネラル、食物繊維などが大量に含まれており、白米にはない魅力や栄養素がたっぷりと詰まっています。
玄米健康法は簡単に始められる食事法です。
ぜひ今日から玄米健康法を始めてみませんか?
ほかにもGI値が低い食材を選んで食べよう
玄米のほかにも低GI食品は多々あります。葉物野菜を中心にデンプン質の低い野菜を選んだり、食物繊維が豊富な食材、精製されていない穀物類などを選んだりすると良いでしょう。
低GI食品の効果は、朝摂ったら昼の食事も、昼摂ったら夜の食事も、というように、次の食事の血糖値までも改善する効果があると言われています。
毎食取り入れようと頑張りすぎなくても、ある程度効果が持続するのも嬉しいポイントです。
ぜひ、玄米をはじめとした低GI食品を取り入れて、糖尿病や肥満の防止・改善をしましょう。