玄米に含まれる不溶性食物繊維と水溶性食物繊維とは
古くから日本において、健康のために食べられている玄米。その魅力の一つに、食物繊維が豊富であることが挙げられます。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があり、玄米にはどちらも含まれています。
実は、食物繊維を含む食材は、そこまで多いとは言えません。にもかかわらず食物繊維が豊富な玄米。玄米を食べることは、どのような良いことがあるのでしょうか。
今回は玄米に含まれる食物繊維に焦点を当て、そのメリットや効果をご紹介します。
Contents
食物繊維
そもそも食物繊維とはなんでしょうか。
食物繊維とは、ヒトの消化酵素では消化することができない成分で、普段私たちが食べている食材に含まれていることがあります。
多くの日本人に不足しており、積極的に摂ることが厚生労働省からも推奨されています。
ヒトの消化酵素では分解されませんが、水に溶けるものと溶けないもの、すなわち水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分類され、それぞれに特徴があります。
水溶性食物繊維は生活習慣病予防に
水溶性食物繊維は、水に溶けるとゼリー状になります。小腸での栄養素の吸収速度を緩やかにし、食後の血糖値上昇を抑える役割をします。
また、コレステロールを吸着し体外に排出することで、血中のコレステロール値を低下させます。さらに、ナトリウムを排出する効果もあり、高血圧の予防も期待できます。
不溶性食物繊維は腸を整えて便秘解消に
もう一方は、不溶性食物繊維です。
水に溶けない不溶性食物繊維は、体内に入ると胃や腸で水分を吸収して膨らみ、腸壁を刺激します。その刺激により便意を促し、排便をスムーズにします。
また、有害物質を吸着させて、便と一緒に体外に排出するため、腸を綺麗にしてくれます。便秘というのは、腸内にゴミを溜めているのと同じですので、それをスッキリ、リセットしてくれるのは、とても嬉しいですよね。
また、腸内を綺麗にすることで、大腸ガンのリスクも低減させることができます。
玄米に含まれる食物繊維は
では、玄米にはどちらの食物繊維が含まれているのでしょうか。
結論から申し上げますと、どちらも含まれていますが、不溶性食物繊維の方がより多く含まれています。
炊く前の玄米100gに含まれる食物繊維は約3.0gですが、このうち水溶性食物繊維は0.7g、不溶性食物繊維は2.3gです。
炊いたあとの食物繊維は1.4gと減少してしまいますが、このうち水溶性食物繊維は0.2gなのに対し、不溶性食物繊維は1.2gと、炊く前も後も不溶性食物繊維の方が多いことが分かります。
ちなみに、白米は100gあたり食物繊維が0.5gと言われていますから、玄米の方が圧倒的に多いことがお分かりになると思います。
玄米を食べると良いことは他にも
玄米に特に多く含まれる不溶性食物繊維のメリットとして、主に整腸効果をご紹介しました。他にも健康やダイエットに嬉しいメリットや効果はいくつかあります。
特に、不溶性食物繊維を多く含む食物は、かたく、噛み応えがあることが多いです。
玄米も例の通りで、白米よりもよく噛まないと飲み込むことができません。よく噛むことで満腹中枢が刺激され、少量でも満腹感を得ることができます。
さらにこれによる効果はダイエット効果にとどまりません。肥満の防止になり、糖尿病、脂質異常症、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病の予防効果があるのです。
身体に良く、比較的少量の食事で済む上に、便通も良くなるとは、健康やダイエット、美容と、さまざまな方面で絶大な効果が期待できますよね。
少しずつでも、玄米の食物繊維を
これまで玄米に含まれる2つの食物繊維の特徴などをご紹介してきました。
多くの日本人に食物繊維が不足しているとお伝えしましたが、少し意識して多く摂るくらいでは、食物繊維の摂取過多になることはないと言われています。
それなら積極的に摂りたい!けれど毎食玄米は合わないかも…という方は、無理せずに自分に合った摂り方を見つけましょう。
1日1食から始めてみる、白米と混ぜて炊いてみる…慣れてきたら玄米の割合を増やすと良いでしょう。
それでもあまり好きでないかも…と思う方は、最近では玄米の原形をしていない、玄米ブランやクッキー、グラノーラなども販売されています。こういった加工食品でも、玄米の食物繊維を摂ることは可能です。
添加物やカロリーが気になる方は、しっかりと成分表を確認してくださいね。
ぜひご自身に合った無理のない方法で食物繊維を摂取し、健康な生活を送ってください!